私が嫁いでから1年足らずで 義母は52歳で未亡人になりました。
夫の両親は子どもたちと一緒に暮らしていた頃の庭付きの戸建住宅に
夫婦二人だけになっても暮らしていたため
義母はその家で一人ぼっちになってしまいました。
社宅に住みながら共働きしていた私たち若い夫婦は 義母と同居するべきかと考え迷いました。
私は大学の建築学科を出て設計事務所に就職したばかり。
我々が夫の実家に同居したら 私は通勤距離的に事務所には通えないので
仕事は辞めなければならない。
夫も通勤時間が今までよりかなりかかってしまう。
夫の他の姉弟も県外でもっと遠くて同居は無理でした。
悩んだ挙句、まだ身体的に元気だった義母には一人暮らしをしてもらうことにしました。
あれから35年経ちました。
義母は 52歳からスポーツクラブに入って 友人の輪を広げてくれました。
今も水泳を続けて 住み慣れた広いあの家に一人で元気に住んでいます。
しかし 最近は足が痛くて 水泳は年下の友人に車で迎えに来てもらっています。
外に出ることが大変になってきても 周りの手を貸り 共に食事する仲間がいます。
自ら世代を超えた交流を広げてくれた義母をみていて
一人暮らしは 家族以外の他人にも頑張り過ぎない自分の弱さを見せて
外部の仲間作りや地域と関わっていくことが本当に大切だと痛感しました。
もちろん家族ともお互いに連絡を取り合い
共有の時間もたくさん過ごしています。
家族でなければできないこともあるかもしれませんが
家族でなくても他人にしてもらえることもたくさんあります。
家族だからやるべきだとか家族なら当たり前だという義務的な考えに縛られず
自分も家族も一番幸せに生活できる形を選択できるようにしておくことが
遠くに家族が居る一人暮らしには大切だと思っています。
今の私は 義母が未亡人になって一人暮らしを始めた年齢はもう過ぎました。
私の夫もまだ働いているし 我々夫婦も元気に自分たちの家で暮らしています。
でも もしも私が義母と同じようにひとりになったら・・・
私の子どもたちもそれぞれ自分の仕事を持ち家族をもち
自分の夢や目標に向かって頑張っています。
そして自分もそういうわが子を心から応援しています。
だから やっぱり私の中ではわが子たちとの同居することはなく
ひとりで暮らす方法を考えるでしょう。
慣れれば結構一人暮らしは気楽なのかも知れません。
でも体力的に自信も無くなり持病があれば不安がないはずありません。
歳をとってからのずっと一人暮らしはやっぱり寂しいでしょう。
歳をとって単身者になったらどのように暮らしたいかを考えた時には
例えばこのような選択があるかと思います。
自分が 子世帯が暮らしやすい場所に引越して子ども家族と同居する。
ひとりで老人ホームに入る。
今までの住み慣れた家にひとりで住み続ける方法をかんがえる。
他にもいろいろ事例はあるでしょうが 一般的にはこんな選択になるのでしょう。
私はやっぱり住み慣れた自分の家で暮らしていたい。
しかし 健康であっても一人ぼっちはやっぱり嫌です。
24時間見守りあうことは無いけれど 誰かに見守ってほしい・・・
自分が住み慣れた家で 適度な距離の人間関係を持つ
それが私の理想かもしれない。
自分の家をシェアハウスにして住む方もいらっしゃるが
私は歳を重ねてたら他人との関係をわずらわしく思うかもしれない。
もう少し距離をおきたいかもしれない。
一人は不安だし寂しいけれども 常に多くの人とは疲れるだろうから。
自分が選択できる自分の住み方を常に考え
自分の幸せは自分で決めていかなければいけない。
老後をなんとなく生きていける時代ではなくなったと思っています。